花柳界用語豆辞典
花柳界には独特の言い回しや言葉があります。一般化して使われている言葉も見受けられますね。
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からげ
引き着(お引きずり・出の衣装)でない一般的な普通のきもののこと。京都のほうでは「そんなり」ともいう。
玉代(ぎょくだい)
芸者を呼んだ時に支払う料金。土地によって料金は違うが、現在では特別な注文をつけなければ芸者1人1時間¥8,000ほどが目安。ひと座敷2時間からの設定としているところがほとんど。ところによってはお約束料が加算されるところもあるようです。他に「お花代」「線香代」ともいいます。
花柳界(かりゅうかい)
芸者町のこと。又は芸者の住む社会を指して言う。緑柳花紅ーー花は紅、柳は緑、花は明るく柳は暗し。が語源。
現代でも日本語で表現出来るものを英語で言いたがる人は多いですが、それは江戸時代も同じだったようで、博識な者は唐土言葉(漢語)を使う事が流行し、そこで生まれた言葉のようです。
花街(かがい、はなまち)
芸者を呼んで楽しむことのできる区域のことを指してこう呼ばれることが多い。「はなまち」という読み方は、三善英史の『円山・花町・母の町』(1973年)のヒット以降、使われるようになった。また、映画『花街の母』(1979年)と同名の金田たつえの演歌『花街の母(はなまちのはは)』のヒットにより、更に(はなまち)という言葉が多く使われ一般に浸透しているが、本来は「かがい」が正しい読み方。
黒文字(くろもじ)
つまようじのこと。昔は黒文字の木でつくられていた事からこう呼ばれた(今でもたまに黒文字の木で作られたものを見る事はあります)。「つまようじ」→「妻用事」でお客様が家路を急ぐのを喜ばない花柳界で生まれた言葉。
見番 / 検番(けんばん)
料亭、置屋、芸者の組合費で運営されている連絡事務所。料亭への手配・花代の支払いなどお座敷に関すること等全ての運営業務を請け負う窓口と言っても良いが、 その方式は土地によって違う。踊り、三味線、鳴りもの、長唄、清元など芸者として習うべき芸事の稽古場が置かれている。大井海岸には現在見番がありません。
こま座敷(こまざしき)
小人数のお客様のお座敷。こまのお客様という用い方もします。
逆手の逆注ぎ(さかてのさかそそぎ)
左手でお調子をもって、外側に手首を折って、手の甲を下に向ける注ぎ方。刀を突きつけるのと同じ動作になり、「死ね」の意味になります。重大なマナー違反です。要注意。
三業地(さんぎょうち)
待合、料理屋、芸者置屋の三業種が許可された土地のこと。戦後は、料理屋と待合の両方の役割を果たす料亭という業態に移り変わっている。
地方(じかた)
長唄や清元などの唄、語りや三味線や太鼓の類の演奏をうけもつ者。これに対して立方がいる。
線香代(せんこうだい))
お花代と同じ。まだ時計の無い頃は、お座敷に入るとスグにお線香に火を点け、時間を計ったことからこう呼ばれました。「玉代(ぎょくだい)」「お花代(おはなだい)」ともいいます。