花柳界用語豆辞典
花柳界には独特の言い回しや言葉があります。一般化して使われている言葉も見受けられますね。
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上り花(あがりばな)
お帰りになるお客様にお出しするお茶を上り花と言った。「お茶を引く」という響きが悪いのでこういう言いまわしをした。おいでになられたばかりのお客さまに出すお茶は「お出花」。お寿司屋さんのの「アガリ」の語源はこれらしい。
妹(いもうと)
同じ置屋の後輩芸者のこと。
おかあさん
置屋、料亭などの女将のこと。こちらも年齢には関係なく、20歳でも女将であればおかあさんと呼ぶ習慣がある。現役でお座敷に出ている芸者が女将の場合、おかあさんと呼ぶか、お姐さんと呼ぶかは街によって異なる。
置屋(おきや)
芸事やしきたりを教え、着物を用意して、芸者としてお座敷に送り出す、いわば芸者のプロダクションのようなものです。
お大尽(おだいじん)
お客様のこと。特に気前のいいお客様。
お茶を挽く(おちゃをひく)
お座敷がかからず芸者がヒマなこと。江戸吉原から出たもので、客の取れない暇な者は、お茶の葉を臼でひき、茶粉をつくらされたことが語源だと言われている。お茶っぴきとも言う。余談だが、「おちゃっぴい」の語源もここにある。「お茶っぴき」がなまって変化した言葉が「おちゃっぴい」。お客もつかず、お茶ばかり挽いているような遊女たちは、おしゃべりでしとやかさに欠けている者が多かったことから、おちゃっぴいは「おしゃべりで活発な女」を意味するようになり、後に遊女以外の女子をもさすようになった。
お兄さん(おにいさん)
芸者衆はこのようにお客さまをお呼びします。壮年のお客様は「おとうさん」とお呼びする事もございます。またお座敷の全員が「おにいさん」ばかりでは、会話が成立しないので、佐藤さんは「さーさん」高橋さんを「たーさん」とお呼びしたりします。少人数のお座敷が多かった頃に生まれた習慣で、お客様のプライバシーを守る為に、このような呼び方をするようになりました。お隣のお座敷や廊下に会話が漏れても、話をしているのが誰なのか、特定出来ないようにとの配慮です。名前を覚えられないからではありません。
お姐さん(おねえさん)
先輩芸者を、お姐さんと呼ぶ。お客様は芸者のことを呼ぶときに使う。年齢には関係なく、現役でお座敷で出ている限り、お姐さんと呼ぶ習慣である。
お花代
火事と芸者は江戸の花。お座敷に花を添える芸者をお座敷に呼ぶ際に発生する料金のことです。「線香代」「玉代(ぎょくだい)」ともいいます。
お冷や(おひや)
お水のこと。水は流れるもの。お座敷が流れる、お客が流れるなど人気商売にとっては「流れる」事はありがたくない事。これを嫌ったので、この呼び方をした。